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ロートアイアンによる制作は、まず必要な大きさに用意した鉄材をコークス炉やバーナーで赤めるところから始まります。

熱く柔らかくなった鉄を金床(アンビル)の上でハンマーで叩き、冷めて硬くなってきたらまた赤めて叩き、曲げ、延ばし…と、地道な作業を繰り返し、造形していきます。

鉄は、冷たく硬いイメージを持たれがちですが、熱されると、まるで粘土のように自由で、動植物などの繊細なモチーフを表現することが可能になります。

そんな鉄の個性を生かして、日々の生活に寄り添い、新しい風を運ぶようなやさしい作品を生み出していきたいと思っています。

Wrought iron

ロートアイアンはヨーロッパにおける金属加工の伝統的な技法のひとつで、日本では、鍛造や鍛鉄と呼ばれています。

ロートアイアンによる制作は、素材を切断し、削り、赤め、叩き、溶接し、など多くの工程を必要とする、大変手間がかかるものです。

鍛冶職人達はそれぞれ自分の技術を磨いて、装飾的な門扉やフェンスなど美しく個性的な作品を生み出してきました。

しかしそれらは手間がかかると同時に高価でもあるため、日本では、鋳造(溶かした金属を鋳型に流して作る技法)により、大量に生産されたものの方が一般的に用いられています。安価で入手しやすい反面、単調な質感で手作りの味わいに欠けるといえます。

ロートアイアンで1点ずつ作られたものには、手作業によって打たれた槌の跡や、何度も赤め叩かれて鍛え上げられた鉄の質感、動植物の繊細な造形の美しさなど、様々な魅力があります。

Profile

渡辺 薫 / 鍛鉄作家

  • 1969年東京都町田市に生まれる
  • 1990年東京デザイナー学院 金属工芸科 卒業
  • 1990~1998年装飾建築金物NELSA-COBO 勤務等 修業期間
  • 1998年独立 東京都町田市に工房を構える
  • 2018年 金沢へ移住

アイアンワークを基本とし、銅や真鍮など他素材での制作も手掛ける。
ロートアイアンの技法を駆使し、動植物などをモチーフとした造形や有機的なデザインを得意とする。
妻はジュエリー作家の渡辺杏子であり、互いの制作に影響を与え合う。

すきなもの・こと
二人の息子 / 深煎りのコーヒー / 1930年代のデルタブルース / 愛車サニートラック / 旅行 / 金属に限らないものづくり / 工場にいるミシシッピアカミミガメ推定14歳

※ 手作り品販売サイトiichiの作家インタビューにも、詳しいプロフィールが掲載されています。

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